【ハーバード大学の発表】早歩きが高齢女性の死亡リスクを激減
冒頭から、長生きの秘密の答えを言ってしまうと、それは、じゃーん!早歩き。単にウォーキングじゃないところが重要ね。長生き効果があるのは、早歩きです!
ハーバード大学公衆衛生学部が、 "Brisk walking may reduce early death risk in older women"(早歩きは高齢女性の死亡リスクを減少する。)として記事を発表しています。(第一報2017年、最新バージョン2018年)
研究対象となったのは、16,741人、平均72歳の女性。一日10時間以上+4日間以上計測し、2011年から2015年の期間、平均30ヶ月追跡調査をしたというもの。
調査対象となったグループで、早歩きなどの中程度から激しい運動をしていた層は、最も運動をしなかった層よりも60〜70%死亡率が低いという結果となりました。
歩くのが健康に効果あり!という事実は、目新しいものではないと思うかもしれませんが、これまで発表されてきたリサーチ結果は、参加者の自己申告の聞き取り調査だったのに対し、これは三軸加速度計*を使っての研究。客観性がある手法で死亡リスクの減少率が60〜70%という驚異的な結果が出たわけですから、注目に値します。(自己申告での調査では、20〜30%死亡率が下がるという結果でした。)
*三軸加速度計とは
xyzの三軸=上下前後左右の動きをひとつのデバイスで測定できるセンサーを備えた計器。fitbitなどの活動量計やスマートウォッチ、デジタル万歩計などでも使われている。
死亡率減少には関係なかったウォーキング、運動もある
でも、ちょっとぬか喜びするのは待って!(笑)今日は軽くお散歩しました❤ だけではダメなのです。
家事、ゆっくり歩くウィンドウ・ショッピングなどの軽い運動には、長生きへの影響が、良くも悪くも認められなかったとか。
高齢になると、激しい運動が長生きにいいって言われても、そんなの無理だわーっていう事情がいろいろあるから、このリサーチ結果、どう活かせばいいんでしょうね。
アメリカだと、フィットネスクラブで、高齢者向けにプールに入っての“アクアサイズ”とかよくありますが、水の浮力をお陰で関節に負担がかからないし、水泳という難易度高い技術がいらず、誰でもできるのが良さそうですね。
体が元気に動かせる人は、怪我や故障には配慮しつつ、同じ歩くのでも息が弾むレベルの早歩き、少し激しい運動にチャレンジしましょう。
長生き効果がある中程度〜激しい運動、どのくらいやればいいの?
WHO 世界保健機関のガイドラインでは、一週間に、中程度なら150分、激しい運動なら75分の有酸素運動、そして筋トレを最低週に2回することを推奨しています。
運動強度はミックスしてもかまいません。
まとめ
毎日エクササイズしろって言われたら精神的にハードル高い、無理!で戦意喪失だけど、激しく75分の有酸素運動だったら、週に一回がんばってみようかなと思いました。
ちなみに、中程度の有酸素運動の時間が150分より短くても長生き効果は出るそうで、2017年の研究では、不活発な高齢者が、週にたった48分の中程度のウォーキングを取り入れたところ、主な運動機能障害のリスクが激減したとあります。
運動を始め、それを継続するにはモチベーションも必要。エクササイズの効果に関する科学的根拠は、火付け役として使えそうですね!
<参照記事>
"Brisk walking may reduce early death risk in older women"--Harvard School of Public Health
"Harvard Epidemiologists' Rx: Moderate-to-Vigorous Exercise"--Psychology Today
https://www.psychologytoday.com/us/blog/the-athletes-way/201711/harvard-epidemiologists-rx-moderate-vigorous-exercise